普通賃貸借契約から定期借家契約への切替え

定期借家契約は非常に便利な制度です。

期間を決めて建物を貸したり出来ますし、借りる側も従来の普通賃貸借契約より比較的安く借りられる傾向にあります。

さて、大家さんから頂く質問の中に

「普通賃貸借契約を定期借家契約に切り替えることが可能なのか?」

これは良く尋ねられます。

特に古い建物を所有している大家さんで、建て替えを考えている人には必ず聞かれる質問です。

ここでポイントとなるのが2点。

1.一番最初に契約をしたのが平成12年3月1日より前か以後か。

2.その契約が居住用か事業用か。

1.で「一番最初に」とあえて書いたのは、普通賃貸借契約には「更新」というものがあり、一般的に2年毎(2年間契約の場合)に契約を更新します。

定期借家契約では、その「更新の契約をした日」ではなく、「一番最初に契約をした日」を「切替え可能か不可能か」の基準点としていることに注意して下さい。

この平成12年3月1日というのは定期借家制度が施行された日なのです。

さて、前記1と2を条件分岐すると4種類に分けられます。

A.最初の契約が 平成12年3月1日より前居住用
B.最初の契約が 平成12年3月1日以後居住用
C.最初の契約が 平成12年3月1日より前事業用
D.最初の契約が 平成12年3月1日以後事業用

このなかで「普通賃貸借契約 → 定期借家契約 切替えが出来ない」のはどれでしょうか?

正解はAのみです。

他のBCDは貸主借主の双方が合意すれば切替えすることが可能です。

国土交通省に「定期借家権に関するQ&A」というのがあります。

貸主さんも借主さんも一度読んでみて下さい。

国土交通省 定期借家契約