所有している分譲マンションは、自宅として使用するのは勿論ですが、人に貸して賃料を得る事も可能です。
初めて人に貸す際の注意点を私の経験からお伝えします。
提出書類
分譲マンションは区分所有者全員で管理組合なるものを結成しています。
その組合に対して提出すべき書類があるはずです。
まず、所有者自身が転居する際に「転出届」なる書類を提出するのが一般的。
また、借主が決定した場合には「第三者使用に関する届」という書類があります。
この書類は次の入居者が決定した時点で提出が必要です。
それと併せて、入居者の家族構成や連絡先などを管理組合に知らせておく「居住者名簿」。入居する借主にマンションのルール(規約)を遵守してもらう為の「誓約書」などもあるのが一般的です。
詳しくは管理組合、または管理の委託を受けている管理会社に尋ねてみましょう。提出すべき書類は組合によって異なります。
管理費・積立金
毎月自動的に引き落とされる管理費と修繕積立金。
たまに勘違いされて、「管理費は実際に住む借主が支払うもの」という理論を展開する貸主さんがいらっしゃいますが、管理費も積立金も支払い義務者は所有者である貸主です。
管理費を賃料とは別に設けて借主から受領するのは自由ですが、それは貸主と借主間で締結した賃貸借契約上の約束であり、管理組合に管理費等を収める義務があるのは所有者です。お間違えのないように。
引き継げない権利
自分がマンションの敷地内駐車場を借りているからといって、賃借人である借主にそのまま引き継ぐことは出来ないのが一般的です。
ただし、全世帯分またはそれ以上の駐車場が確保されているマンションであるならば大丈夫かもしれません。
これもやはり管理会社に尋ねるようにしましょう。
自転車置場も無条件で引き継げるかは規約次第ですので併せて確認してみて下さい。
契約期間
将来において再び自分が使用する予定が決まっている場合などは賃貸借契約の形態に注意が必要です。
一般的な普通賃貸借契約にしてしまうと、契約期間(一般的には2年間)が終了しても、借主側に大きな契約違反(賃料の未納など)がない限り、貸主側から更新契約を拒否することは難しいです。
もっと言うと、拒否することは出来ますが借主が更新したいと言えば断ることは出来ません。
簡単に述べると、これは借家法によるもので、立場の弱い賃借人を法律で保護しているのです。
「それでは貸すのが不安である」という声に応えて誕生したのが定期借家契約というものです。「ていしゃく」なんて略して呼ばれてるので一般的になりつつある契約形態です。
これなら、契約する年数を予め定めて貸すことが出来ます。予定が決まっている人はこちらにすべきです。
ただし、当然ではありますが、賃料は普通賃貸借契約よりも割安に設定しなければなりません。