「更新料 3ヶ月分」は有効との判決(京都地裁)

私は東京の不動産屋なのですが、取り扱い物件の99%は「更新料」が「新賃料の1ヶ月分」または「更新料は無し」という設定になっています。
これは住居でも事業用でも同じ。

更新料は地域により、その有無が異なりますが、「有り」の場合の設定値も地域により変化します。

東京で「更新料」が「3ヶ月分以上」の設定をすると、その物件は検討の対象外となることは明らかですので、まずそんな物件は見かけません。

昨日(2012年1月17日)に京都地裁での判決は「そんな物件があるんだ」と少しの驚きと、「更新料は3ヶ月でも有効」との判決で二度びっくりです。

この判決に異を唱えるという意味ではなく、更新料3ヶ月の設定をし、それを承知で契約締結をしたことに驚きということです。

しかも、東京では「2年毎に更新料1ヶ月分(事業用は3年が多い)」であるのに対し、今回の判決では「1年ごとに更新料3ヶ月分」とのこと。

「周辺地域の更新料の相場」や「月額賃料が周辺相場と比較して安いか否か」が報道されていないの分かりませんが、それにしても東京から見ると「更新料3ヶ月」は高いかなー、と思ったりします。

以下、日刊スポーツweb版より↓

賃貸住宅の1年ごとの契約更新時に、家賃約3カ月分の更新料を取るのは無効として、京都市の消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が不動産会社「ジェイ・エス・ビー」(同市)に契約条項の使用差し止めを求めた訴訟の判決で、京都地裁は17日、請求を棄却した。

 更新料をめぐっては最高裁が昨年7月、「賃料や更新期間などに照らし、高額過ぎるなどの事情がない限り、無効ではない」と初判断。今回は、賃料が5万1000円で、1年ごとの更新時に15万円を支払う契約条項が争点となり、松本清隆裁判長は「高額過ぎるとは直ちに断定できない」と指摘した。

 同団体代理人の長野浩三弁護士は「高額ではないとした判決は極めて不当」とコメント。同社代理人の田中伸弁護士は「適正、妥当な判決。そもそも高額すぎる物件はマーケットに出回っても選ばれず、契約されない」とした。
[2012年1月17日18時43分]