現在(2014年3月)、賃貸借契約の連帯保証人になるとその保証額に上限はありません。
「それはちょっと酷だなぁ」という事で、民法でそれを禁止する法案が検討されています。
これは良い改正案だと思います。
実務に携わっている私としては
「また仕事が増える・・・」と気が重くならない、と言ったらウソになりますが。
以下、毎日新聞より。
毎日新聞 2014年03月08日 16時00分
アパートに入居する親戚の連帯保証人になったばかりに、高額の損害賠償を請求されてしまった??。こんなトラブルを防ぐため、法制審議会(法相の諮問機関)の部会が、部屋の借り主の保証人に債務を無制限に負わせる契約(包括根保証契約)の締結を禁止する方向で検討していることが分かった。部会が7月にまとめる民法改正要綱案の原案に盛り込まれる見通しで、改正が実現すれば不動産実務に大きな影響を与えそうだ。
保証人が負う債務の上限(極度額)や期限を定めない包括根保証契約を巡っては、中小企業向け融資の保証人が想定外の債務を負わされて破産や自殺に追い込まれるケースが相次ぎ、2004年の民法改正で貸金契約については禁止された。
だが、賃貸借契約にはなお残っており、アパートや賃貸マンションに入居する際には、保証金額や保証期間の限度がない連帯保証人を求められるのが一般的だ。もし借り主が長期間家賃を払わなかったり、失火などで部屋を燃やしてしまったりした場合には、連帯保証人は高額の損害賠償を請求される恐れがある。例えば、借り主が室内で殺人事件を起こしたケースで家主側が連帯保証人に部屋の原状回復費や以後の家賃減額分として約2000万円の賠償を求め、裁判で約200万円の支払いが命じられたケースもある。
部会は、貸金契約と同様のルールを賃貸借契約にも適用する方向で法改正を模索。家主側が契約時に保証債務の極度額を示すことにより、保証人が将来発生しうるリスクを予測できるようにすることで大筋で意見が一致している。賃貸借契約の保証人は極度額の範囲で責任を負うこととし、保証金額の上限を定めない契約を無効とする案が浮かんでいる。
この部会は明治時代に大枠が定められた民法の契約・債権分野を現代社会に合わせて全般的に見直すことを目的に09年に設置された。包括根保証以外にも、法定利率など約300の項目を検討しており、来年2月に部会としての要綱案を取りまとめる予定。早ければ来年の通常国会に民法改正案が提出される。