産経新聞は不動産に関する記事で、賃貸派の割合が増えている傾向にあると報じた。
2013年6月23日の記事である。
大きな理由として「不動産が他の資産と比べると魅力が減った」「先行きの不透明感」などがあるようだ。
東日本大震災を機に、不動産には天災が発生した場合のリスクが大きいという意識が高まったことも考えられる。
ライフスタイルの変化もあり、必ずしも「持ち家が得」ということも無くなってきているようだ。
不動産業を営む者にとっては色々と考えさせられるニュースではある。
以下は産経新聞2013年6月23日より 抜粋
平成25年版「土地白書」で、「土地・建物は両方所有したい」と持ち家を希望する国民が79.8%と12年ぶりに8割を割りこんだ。
一方、「借家(賃貸住宅)でも構わない」は12.5%と5年度の調査開始以来、過去最高を更新。
首都圏よりも不動産価格が安く、大阪市内から1時間圏内に手頃な物件が多いことから、「持ち家派」が多いイメージの関西だが、実は民間の最新調査では、「賃貸派」の割合は首都圏とほぼ変わらないという。なぜ、「賃貸派」が増えているのだろうか-。
土地白書で、「土地は預貯金や株式に比べ有利な資産か」の問いに「そう思う」と答えたのは過去最低の32.9%。「思わない」(37.2%)を4年連続で下回っており、土地に対する意識の変化が浮き彫りになっている。
だが、白書はバブル経済崩壊後、下落傾向を続けてきた地価について、「アベノミクス」効果で「回復の兆しがある」と分析。不動産経済研究所が17日に発表した近畿2府4件のマンション市場動向でも、5月の契約率は82.3%と、好調の目安とされる70%を15カ月連続で超えた。消費税増税を控え「買い時」をうたう市場は好調だ。
普通のサラリーマン世帯の多くは、損得勘定で持ち家か賃貸かを選ぶ傾向がある。不動産・住宅総合サイト「SUUMO(スーモ)」が23年に実施した関西(大阪府、兵庫県、京都府)の賃貸住宅居住者に対する意識調査では、「これからも賃貸住宅に住むつもり」と答えた人は32.1%。うち36.3%が、その理由を「買うより借りる方が得だから」と答えた。
賃貸住宅に望む条件(複数回答)でも、「自分のライフスタイルやこだわりに合う」(61.2%)のほか、「毎月の家賃負担がマイホーム購入より軽い」を挙げた人が57.6%と、お得感を重視している。賃貸派の理由で最も多かったのは、「転勤の可能性がある」(37%)。「自由に住み替えたい」(36.3%)、「長期の住宅ローンが嫌」(21.5%)などのほか、意外にも「そもそも家を所有するつもりがない」と答えた人が20%もいた。
スーモの最新の調査では、首都圏、関西ともに「賃貸派」と「持ち家派」の比率はほぼ6対4。賃貸派は調査開始以降、増加傾向が続いているという。一方、「一人暮らし」では首都圏、関西とも6~7割が賃貸派なのに対し、「2人」や「ファミリー」では持ち家派が5~6割。
持ち家志向の低下については、経済の先行き懸念や所得改善の遅れなどが指摘されているが、専門家は「家族構成やライフスタイルの変化が選択のカギを握る」と分析する。実際、夫婦に子供2人の4人家族という「モデル家族」が減少し、シングルマザーやDINKS(共働きで子供を持たない夫婦)なども増えている。