「追い出し規制法案」で家賃の催促が出来なくなる?

賃貸住宅居住安定化法という法律が検討されているのを知っていますか?

不動産業に従事している人以外は認知度は低いと思います。

正式名称は「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案」。

これだけでは何だか訳が分かりませんよね?

これは通称、追い出し規制法案と呼ばれ、すでに閣議決定はされており、2010年に審議され、2011年中に再審議されます。

ちなみに閣議決定とは「内閣の会議で決定された」ということなので、これで法律が確定した訳ではないんです。

「追い出し規制法案」の概要

主な柱は以下の3つ。

  1. 家賃保証会社の登録制度
  2. 家賃の支払い履歴情報の収集と提供を行う事業者の登録制度
  3. 家賃の悪質な取立て行為の規制

この3つの中で、広く影響がありそうなのが最後の「取立て行為の規制」です。

何が規制されるのか?

国土交通省より提出されている法案の「取立て行為の規制」の部分には以下のような内容が記されています。

家賃関連債権の取立てをするに当たって、面会、文書の送付、はり紙、電話をかけることその他のいかなる方法をもってするかを問わず人を威迫し、生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

これには、普通に「家賃を払ってください」と催促しても、滞納者が「威迫された!」と主張してしまえば規制の対象になる可能性がある、という問題が含まれているのです。

これでは貸主も不動産屋も怖くて催促できなくなり、滞納者はますます滞納するでしょう。

今後の動向は?

各団体からも、この「取立て行為の規制」に関して反対する署名が集められ提出されたようです。

2011年の国会での審議に注目したいと思います。

賃貸住宅居住安定化法(案): 国土交通省