競売は敷金と賃借権の危機!

賃貸で入居されている人の多くは、敷金という名目で一定の金額を貸主である大家さんに預けていると思います。

解約時に清算されて返金されますが、さて、契約後に貸主が賃貸物件を売却した場合には敷金はどうなるでしょう?

普通の売却の場合には貸主が替わるのですから、敷金も当然、新しい貸主に承継されます

敷金の返金も新しい所有者に請求することが出来ます。(もちろん解約後です)

ところが競売になると「新しい貸主に請求することが出来ない」場合があるから注意が必要です。

それは

① 平成16年4月1日以降に新規に賃貸借契約を結んだ。
② 賃貸借契約を締結した時点で既に抵当権が設定されていた。
③ ②の抵当権により競売になり、新所有者が物件を買った。

上記①②③の全てに該当する場合には、新所有者に敷金を請求することが出来ません

これは、かつて競売を妨害する為に、対象物件の所有者が借主から莫大な金額の敷金を預かっていることにして、入札をさせないようにしたことが原因となっています。もちろん所有者とその借主はグルです。

賃貸物件のほとんどが金融機関から借入れをして建てられています。よって抵当権が設定されているものが99%です。

そして、敷金だけでなく、立退きも迫られることになります。

6ヵ月の猶予期間はありますが、それ以降は無条件で立退きをしなければなりなくなります。

立退き料なんかは請求出来ません。

これも前記①②③の全てに該当するのが条件です。

なぜこんな風になったかと言うと、悪質な占有屋により法律が改正されたのが理由です。

「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」が2004年4月から施行され、悪質な占有屋対策と競売妨害を防ぐために改正されたのです。

もし自分が住んでいる物件が競売にかけられているのが分かったら、すぐに仲介の不動産会社に相談してみて下さい。