「終わりよければ全てよし」と言いますが、現実はそんなに上手くいかなかったりします。
賃貸では最後の「敷金の返金」でトラブルになることも多々あります。
今回は、最近は浸透してきた感がある「原状回復の考え方」についてです。
原状回復についてはその範囲が多岐にわたる為、今回は概略を説明します。
過去の敷金返金と原状回復
過去には「解約後におこなわれる修繕工事は全て借主負担」みたいな風潮があり、敷金では足らず、追加で支払うというような事例が多々発生しました。
当然その判断に納得いかない借主は、不動産屋を間に立てつつ、貸主とそのことについて揉めていました。
話し合いで解決できない事もあり、訴訟に発展するケースも頻発。
そこで国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発表しました。平成10年のことです。
平成16年には改訂版も発表され、より細かい個別の事案についても説明されています。
ガイドラインの効用
このガイドラインは今では貸主、借主双方に認知されてきましたので、大きな成果であると思います。
ガイドラインですから法的拘束力はありませんが、「ガイドラインでの解釈では・・・」という説明をすれば当事者双方が納得することがほとんどであり、我々不動産屋にとっても非常に有り難いものであります。
ガイドラインの概略
簡潔にまとめてみました。
更に詳しい説明は国土交通省のサイトを見て下さい(この記事の最下部にリンクを貼っておきます)。
1.借主の使用に問題があって生じた修繕費用は借主負担。
それ以外は貸主の負担。
2.経過年数による設備の劣化は貸主負担。
3.特約でその負担を明記していても全てが認められるものではない。
本当に簡潔にまとめてしまいましたので、実際に原状回復の問題を解決する場合には、ガイドラインの全てに目を通してから行って下さい。