「共有」って色々と大変なんです。
何をするにしても共有者全員の意見を聞かなければならないですし、だいたい仲が良くないんです…
共有者と話し合いが出来ればまだ良い方で、連絡のとりようがないケースも結構あったりします。
そんな状況に困った人たちの為に!出来ました!
「所有者不明の共有私道の対応ガイドライン」
ガイドラインですから法律ではありませんが、大きな指標になるのは間違いありません。
事例の多い35のケースについてガイドラインで解説してあります。
たとえば No.15 給水管の補修事例(共同所有型)を見てみましょう。
給水管の補修事例(共同所有型)
図があると分かりやすいですよね。
ポイントも箇条書きで簡潔にまとめられています。
■ 事例のポイント
- 共同所有型私道の地下に設置された給水管が破損して漏水している。
- 工事の実施主体は②の共有者である。
- 共同所有型私道の路面を掘削し、地中に設置されている給水管を補修した後、路面まで埋め戻し、再度アスファルト舗装する工事を実施する。
そして、ガイドラインとしての考え方も分かりやすく述べられている。
■ 事例の検討
- 私道の共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができるため(民法第249条)、一般に共同所有型私道の下に給水管を設置することができる。
- そして当該給水管に損傷が生じた場合には、持分に応じた土地の使用として、設置した給水管の損傷を補修するために必要な工事を行うことができる。
- 本事例においては②の共有者は、共同所有型私道下に設置した自己所有の給水管を補修するため、持分に応じた使用として①の共有者の同意がなくても工事を行うことができるものと考えられる。
その他の35ケース
舗装、側溝の再設置、給水管、電柱と幅広く取り上げられています。
全てに目を通すのは大変ですが、このガイドラインの存在を覚えておけば、何かの時に役に立つと思います。
- 舗装の陥没事例(共同所有型)
- 舗装の陥没事例(相互持合型)
- 全面再舗装事例(共同所有型)
- 全面再舗装事例(相互持合型)
- 新規舗装の事例(共同所有型)
- 新規舗装の事例(相互持合型)
- 側溝再設置の事例 ~L形側溝付近のみ再舗装(共同所有型)
- 側溝再設置の事例 ~L形側溝付近のみ再舗装(相互持合型)
- 側溝再設置の事例~路面全体を再舗装(共同所有型)
- 側溝再設置の事例~路面全体を再舗装(相互持合型)
- 給水管の新設事例~給水管を配水管に接続 (共同所有型)
- 給水管の新設事例~給水管を配水管に接続 (相互持合型)
- 給水管の新設事例~給水管を共有給水管に接続 (共同所有型)
- 給水管の新設事例~給水管を共有給水管に接続(相互持合型)
- 給水管の補修事例(共同所有型)
- 給水管の補修事例(相互持合型)
- 配水管の取替事例(共同所有型)
- 私道下の配水管を取り替える事例(相互持合型)
- 私有排水管の新設事例(共同所有型)
- 私有排水管の新設事例(相互持合型)
- 公共下水管の新設事例(共同所有型)
- 公共下水管の新設事例(相互持合型)
- ガス管の新設事例(共同所有型)
- ガス管の補修事例(共同所有型)
- 電柱の新設事例
- 電柱の取替事例(同一場所)
- 電柱の取替事例(隣接場所)
- 階段の新設事例
- 階段の拡幅事例
- 階段への手すり設置事例
- ゴミボックスの新設事例
- 樹木の伐採事例(共同所有型)
- 樹木の伐採事例(相互持合型)
- 宅地からせり出している枝の伐採事例(共同所有型)
- 宅地からせり出している枝の伐採事例(相互持合型)
ガイドライン(法務省)へのリンク
ガイドラインへのリンク(法務省)を下記に貼っておきます。
みなさん抱えてるトラブルの一助になれば幸いです。
共有私道の保存・管理等に関する事例研究会 最終とりまとめ概要
所有者不明私道への対応ガイドライン ~ 複数の者が所有する私道の工事において必要な所有者の同意に関する研究報告書