エアコンについて不動産屋が知っておくこと(設置編)

エアコンが設備として設置されているか否かでは、引越し費用が変わってくるので重要ですよね。

そんな重要なアイテム「エアコン」について、不動産屋が意外と知らない、分からない事について解説していきます。

エアコンの型番と能力の関係性

まず、エアコン各社の型番をランダムにピックアップしてみます。

パナソニック CS-406CF2
ダイキン S22TTES
日立 白くまくん RAS-AJ25F
三菱電機 霧ヶ峰 MSZ-L2816
シャープ AY-F22DH
コロナ RC-2216R
富士通ゼネラル Cシリーズ AS-C22F
東芝 RAS-2256M

当然、アルファベットと数字の組み合わせです。

知っておきたいのは「初めに出てくる数字2ケタが能力を表している」ということ。

CS-406CF2 なら 4.0kw
S22TTES なら 2.2kw
MSZ-L2816 2.8kw

全て冷房時の出力です。

数字が大きいほど出力が高いので、広い部屋でも冷やしたり、暖めたり出来ます。

広さに合った出力のエアコンを付けよう

型番と能力が分かったところで、部屋に設置する適切なエアコンを理解すべし。

2.2kW アパート6畳 マンション8畳
2.8kW アパート8畳 マンション12畳
4.0kW アパート12畳 マンション16畳

何となくですが上記のようなイメージ。

マンションの方が木造より気密性が高く、熱や冷気が外に逃げにくい。

よって、マンションの方が小さい出力のエアコンで良い事になります。

出力(能力)の高いエアコンの方が高価ですから、部屋に適切なエアコンを設置することは「部屋のプロ」であるべき不動産屋として必要だと考えます。

ちなみに、電気屋さん、エアコン設置業者と話をする時に

2.2kw を 「にーてんに」、2.8kw を「にーてんはち」とか言うと「こいつ知ってるな」って感じになるかもしれません。

エアコンを設置出来ない部屋がある

エアコンが設置できない部屋や位置というものがあります。

電気屋さんに設置現場を見てもらえば済むことなんですが、わざわざ来てもらう前に不動産屋が分かってた方が便利なこともあるし、事前に電気屋さんに伝えておいた方が良い事でもある。

まず、室外機を置くスペースが無いとエアコンは設置できません。

一般的に室外機はベランダに置いたり、吊ったりします。

ベランダが無い部屋には基本的に設置が難しかったりします。

マルチタイプ(複数の室内機に室外機1つ)とかもあるので、「ベランダ無い=設置不可」ということもないのですが、ベランダが無い部屋は注意が必要です。

余談ですが、マルチタイプは室外機が故障すると、室内機が全滅するので、私はオススメしません。

真夏に全室エアコン停止は大きなトラブルとなりますから。

話しを戻しますが、「ベランダ無くても窓枠型のエアコンがあるじゃん」という意見もありますが、でも色々とあるので、まぁ今回は出来ないというか難しいということに。

機会があれば窓枠型エアコンについて解説します。

あと、管(冷媒管のこと、室内機と室外機をつなげてるアレ)を長くして、(他の部屋を通過させて)ベランダまでツナげればイイんじゃないか?という方もいるでしょう。

私も考えたことがありますが、エアコンのプロに一刀両断されました。

「水が排出できねーからダメだ」

なるほど!確かに勾配がないと水が流れないのでダメです。

変化球的なやり方として「水は近くの排水口に流す」というケースも見たことあります。

私が見たのは「水だけ壁裏の洗濯機置場の排水口へ流す」というやり方。

それはそれで「あり」だなぁーと感心した記憶があります。

エアコンを設置出来ない部分もある

室内機を設置するにあたり、エアコンの上部と左右に5センチ以上の空間が必要です。

窓枠と天井の間に設置したくても空間が確保できなかったりする事もあります。

また、壁のスリーブ(エアコンの配管穴)とエアコンが遠かったりすると、水を排出するための勾配が確保できないという事もあるので注意が必要となります。

スリーブが無い場合

壁に配管を通す為のスリーブが無い時には、穴をあけないと設置できません。

木造や軽量鉄骨であれば工事は比較的簡単です。

鉄筋だと・・これはもう大変です。

大変というか、私は鉄筋コンクリート造の穴を開けてまでエアコンを設置したことがありません。

鉄筋コンクリートに穴を開けるには「コア抜き」という特殊(?)な工事をします。

専用の機械を壁に固定して時間をかけて「くり抜く」って感じですね。

昔のマンションはエアコンを設置する事を考えてはいなかったので、現在のように設計時からスリーブの事を考えている建物ばかりではなかった訳ですね。

おわりに

今回は不動産屋が知っておきたい「エアコンの設置」に関する事を簡単に記しました。

設置する以外にも細かいことで書きたい事はあるのですが、まとまりが無くなってしまうので、別な機会に書きたいなと思ってます。