タワーマンション節税にメス

国税庁が所謂「タワーマンション節税」に対する課税を強化する方針を発表した。

税負担の公平性に「問題アリ」との判断のようだ。

タワーM節税の簡単な説明は以前の記事を参照してください。

タワーマンション節税の落とし穴

以下、毎日新聞より(2015年11月03日 08時30分)

タワーマンションの購入による行き過ぎた相続税の節税策について、国税庁が課税を強化するように全国の国税局に指示したことが分かった。
サンプル調査によると、20階建て以上の高層マンションの実売価格(時価)と相続税評価額との差は平均で約3倍あったといい、税負担の公平性の観点から問題があると判断した。
相続開始直前の購入や、居住実態がないケースなど、租税回避目的が明らかな事例に対する課税を強化する方針。

相続税法は相続財産の価額評価を取得時の時価で算出すべきだと規定している。
だが土地の場合、同庁の「財産評価基本通達」により公示地価の8割程度に当たる路線価を基に算定されるため、評価額が時価よりも低くなる傾向がある。

マンションの場合、敷地全体に対する専有面積の割合(持ち分)に応じて各戸の評価額が決まるため、高層マンションのように戸数が多いほど持ち分が小さくなり、評価額も下がる。
例えば3億円の預金を相続すると、その金額が課税対象となるのに対し、相続前に3億円でタワーマンションを買っていれば評価額が下がる。
数千万円単位の節税になることもあり、富裕層を中心に注目されている。
国税庁は2011年から13年の確定申告のデータを基に、全国343件の20階建て以上の高層マンションの実売価格を抽出。相続税の評価額と比較したところ、平均で約3倍、最大で約7倍の格差があった。

財産評価基本通達には「路線価に基づく評価が著しく不適当な場合、国税庁長官の指示を受けて評価する」との規定があり、国税局はこれを根拠に課税を強化する方針。
従来も相続に近接した時期の売買価格などを評価額として課税した例はあり、売買価格と評価額の格差が2.2倍だったケースでは、東京高裁が売買価格に基づく課税を正当と認めている。

結局は「実際の不動産価格」と「相続税の評価額」が、かけ離れ過ぎてるのがダメなわけ。

需給バランスで実際の不動産価格は決まるので、それを制御するのは不可能でしょうから、相続税評価額を高く見積もればイイんじゃないの?という節税とは縁の無い庶民からの意見でした。